千砂都(学校出る前に気付いてよかったよ)
千砂都(まだみんな部室にいるかな)
かのん「ここだけの話さ」
千砂都(かのんちゃんの声、っていうことはまだ練習は始まってないのかな)スッ
かのん「ぶっちゃけちぃちゃんってムカつくよね」
すみれ「はあ?」
千砂都「!?」ピタッ
かのん「いや、もちろんちぃちゃんのことは大好きだよ?」
かのん「でもさ、大好きでもイライラすることってあるでしょ?」
恋「可愛さ余って憎さ百倍ということですか?」
かのん「うーん、それとはちょっと違うんだけど」
可可「ではどういうことデスか?」
かのん「ちょっと愚痴っぽくなっちゃうかもだけどごめんね」
千砂都(か、かか、かのんちゃんが私の悪口言ってる……?)ガクガク
可可「あの千砂都が?」
恋「千砂都さんから聞いたことはありますが、やはり俄には信じ難いですよね」
かのん「なのに今はあんなにかっこよくなっちゃって」
すみれ「……それのどこがムカつくの?」
かのん「ちぃちゃんは私のお姫様だったの!」
かのん「なのに今じゃまるでちぃちゃんが王子様みたいじゃん!」
すみれ「は、はあ……?」
千砂都(私は今でもかのんちゃんが王子様っていうかヒーローだと思うけどなあ……)
可可「かのんは千砂都の力になっていると思いマスが……」
千砂都(そうだよ、かのんちゃん!)
かのん「でも私が1人で歌えないって時も私を1人にして成長させてくれたし」
かのん「音楽科から普通科に転科してまで隣にいてくれるし」
かのん「ちぃちゃんかっこよすぎてムカつく!」
かのん「あんなちっちゃくてかわいいくせにかっこいいなんて!」
すみれ「なんだ、ただのろけったら、のろけね」
恋「悪口かと思って少し身構えてしまいましたね」クスクス
かのん「え?」
可可「ダンスもキレキレでかっこいいデスし」
可可「かのんのために奮闘する姿はまるでジャパニーズサムライ」
すみれ「あー、確かにそんな感じね」
可可「かっこいいデス~」
かのん「……」
すみれ「え?」
千砂都(えっ!?)
かのん「下着も水玉模様ばっかりだし」
かのん「コンパスより上手な丸書くんだって張り切ってるし」
かのん「全然かっこよくなんてない」
恋「さっきまでかっこいいって言ってたじゃないですか」
かのん「かっこよくないの!」
かのん「だから可可ちゃんはちぃちゃんのこと好きになっても無駄だから!」
すみれ「あー……」
可可「?」キョトン
かのん「『かのんちゃん、開けて』ってうるうるしながら小声でお願いしてくるのかわいすぎてイライラするし」
かのん「コーヒーも紅茶も砂糖入れないと飲めないし」
かのん「私の入れたコーヒーを1口飲んでから苦そうにして『折角入れてくれたのにごめんね……』って申し訳なさそうに砂糖入れるのいい子すぎてムカつく!」
かのん「目薬を点すときもひとりじゃ点せないからって私の膝枕でいつも点してるんだよ」
かのん「はあ、もうかわいい! ムカつく!」
かのん「なんでちぃちゃんと私って女同士なんだろう!」
すみれ「あっ、ムカつくってそういう……?」
千砂都(かのんちゃん……!)ジーン
可可「ムカつくって好意的な意味なんデスか?」アリェ?
すみれ「普通の使い方だと違うから安心しなさい」
かのん「っていうかそもそも結婚なんてできないし!」
恋「できますよ」
かのん「えっ!?」
恋「結婚とは少し違いますが、結婚に近いことはできます」
可可「へー、日本って進んでマスね」
すみれ「いや、また恋の妄想暴走機関車じゃないの?」
恋「わたくしがいつ暴走したというのですか!」プンプン
可可「パートナーシップ制度?」
恋「正式には男女平等及び多様性を尊重する社会を推進する条例」
恋「同性カップルを結婚に相当するパートナーと自治体が認め、証明書を発行するという条例です」
恋「今でこそ全国的に広まって来てはいますが最初に施行したのはここ渋谷区と世田谷区なんです」
すみれ「めちゃくちゃ早口ね」
かのん「うーん、授業でなんとなく聞いた気がする」
かのん「で、でも私はちぃちゃんのことすきだけどちぃちゃんが私のこと好きとは限らないし……」
すみれ「いや、どう見ても両想いでしょ」
恋「そうですよ、かのんさんと千砂都さん、すみれさんと可可さんは両想いですよ」
可可「く、くく、可可は別にグソクムシのことなんてこれっぽっちも好きじゃありマセン!」
すみれ「わ、わわ、私だって!」
すみれ「前も言ったけどそういうの嫌われるわよ?」
千砂都「……ほんと、かのんちゃんのそういうところムカつくよね」ガチャッ
かのん「ち、ちちち、ちぃちゃん!?」
千砂都「ほんとはなんでもできるかっこいいヒーローなのに何もできないって思い込んでて」
千砂都「怖いものが多いところだってかわいいし」
千砂都「私の方がいっぱい助けてもらってるのに自分だけ支えてもらってるって思ってて」
千砂都「ほんとムカつく……」
かのん「……」
かのん「は、はい!」
千砂都「私が1番ムカついてるのはね」ズイッ
かのん「っ!」ビクッ
千砂都「かのんちゃんが大好きなのに想いを伝えられない自分だったの!」
かのん「……え?」
千砂都「ずっと昔から、それこそ会った時からかのんちゃんは私の憧れの人で──」
千砂都「初恋の人なんだよ!」
かのん「!」
千砂都「だから、私のパートナーになってください!」
かのん「ちぃちゃん……!」キュン
かのん「こんな私でよかったら、ちぃちゃんのパートナーにしてください……/////」
千砂都「かのんちゃんでいいんじゃない」
千砂都「かのんちゃんがいいの」
かのん「私も、ちぃちゃんがいい/////」
恋「生の禁断のセカイです……!」パアアアアアア
可可「ほわぁ////」
すみれ「……あんまり見てると悪いから屋上いくわよ」
恋「そんな……!」
可可「もっと見ていたいデス!」
すみれ「いいから行くわよ!」
かのん「別になにかするってわけでもないのにね」クスクス
千砂都「……折角だからする?」
かのん「するって?」
千砂都「キス、とか」
かのん「えっ?」
千砂都「//////」
かのん「//////」
千砂都「だ、だって、想像したら恥ずかしくて////」
かのん「私たちにはまだ早いよ/////」
かのん「いつかはしたいけど/////」
千砂都「そ、そうだね/////」
かのん「今はこれにしておこう」スッ
千砂都「っ! うん!」スッ
かのちぃ「ういーっす♡」ユビキス
かのん「ふふ。この方が私たちらしいよね」
千砂都「あはは。かもね」
おわり
だがこれでいい
引用元:https://fate.5ch.net/test/read.cgi/lovelive/1640432943/

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